コト・モノ・ヒト

 いろんなコト、いろんなモノ、いろんなヒト

店舗リノベ@中目黒

仕事仲間の紹介で短期の店舗のリノベ。イタリア料理店を和食料理店に。

予算を最初に聞いたときは「無理でしょ~」って思ったんですが現地見たら居抜きで状態も良く使える部分は多くあると判断。アイデア練って施主打合せして無事予算内に収まって工事開始。

f:id:aratoshi:20171113123951j:plain外壁はいかにもイタリアーンなモザイクタイルの外壁。それに青いガラスブロック。地中海のイメージでしょうか?さてこれをどうやって和風な外観に仕上げるか。

最初に思いついたのは木の縦格子で覆ってしまうものでしたが木格子も耐久性ふまえて塗装かけると結構コストがかかる。加えて格子を密にしすぎると店内の様子が垣間見れず閉鎖的に。超高級店なんかあえてファサードを閉じる意匠にしますが、今回のコンセプトは「料理は一流・料金は控えめ」とのことだったので、「漆喰風塗り壁」+「素な木格子」という品良くカジュアルな外観を目指した。ガラスブロックのやりかえはコスト増なのでそのまま利用することに。

f:id:aratoshi:20171113124027j:plain漆喰風塗り壁のサンプルを日光の下で確認。どれも似たような色ですが微妙に黄色の加減が違う。一番黄色身の少ない色に決定。

f:id:aratoshi:20171113124051j:plain現場の下地材を借りて、格子の太さとバランスを確認中。写真は35×45の角材。これだとちょっと太くて大味と思い、25×30の格子にすることに。

f:id:aratoshi:20171113124120j:plain続いてカウンター。非常に手間のかかったモザイクタイルのカウンターですが和食屋でこのまま使うことは難しいので完全に造り替え。

コストや耐久性、メンテナンス性を考慮するとメラミンカウンターというのが使いやすく、旅館や寿司屋なんかでも、木目ではなく布風の白や朱色のカウンターを使ったりしました。でもそれは店全体の雰囲気が純和風だからあえて「外し」で無地のカウンターを使ってみたんですが、今回は店全体の雰囲気を純和風にすることは難しいので、ここだけは和を強く出すために、タモの一枚板風の耳付きカウンターを選択。和=木ってわけでもないんですけどね。

f:id:aratoshi:20171113124154j:plain工事中の様子。天板はタモ。カウンター上の立ち上がりもタモの無垢材。板目の木目が荒々しく耳付きのカウンターと相性がいいと思う。足元の腰板は蹴られたり靴が擦れたりするので耐久性を考慮しメラミン化粧合板。関係ないけど床に置いてあるのはマキタの現場仕様ラジオ。

ほかにも内装壁は基本300角~400角の石風タイル張りなのですが、一部の壁を外壁と同じ塗り壁にしたりと外部との連続性を意識しつつ、ポイントで和風の素材を入れたことでベタな表現ですが「モダン和風」っぽい店になったと思う。

それではビフォアアフター

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ビフォアー これはこれでいいファサードだったと思います。

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アフター(昼)
白と黒と木+ブルー。格子のデザインは隈研吾っぽい?。いいえ村野藤吾先生リスペクトですw。塗り壁は左官仕上げであえてコテ跡を残し荒々しい表情に。

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アフター(夜)
写真だとガラスブロックの青が押さえられてますが元の「地中海ブルー」を「夜空」に見立て、格子でススキや竹など(草木)をイメージしたつもり。誰もわからんと思うけどw。おっとどっちにも私のスクーターが・・・。

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店へのアプローチはこちらからで行燈と奥の板看板で店の存在がアピール出来ていると思います。

f:id:aratoshi:20171113130337j:plainタモのカウンターはクリヤ塗装だとやや白っぽくなりそうだったので、ほんの少し黄土色を入れてもらって(実際は写真より控えめ)暖かみがあって色気のあるカウンターになったと思います。

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ビフォアー トイレ前の明り取り

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アフター 色紙を貼った障子に。色紙は私が貼りましたw

というわけで超短期+できるだけコストを抑えたリノベーション。若いお施主さまとは歳が近いこともあり、すぐに意思疎通がとれてやり易かった。限りある予算の中でメリハリのある設計をしたつもり。

設計や施工はこれで完了ですが、店舗はこれがスタート。末永く繁盛店となるよう頑張っていただきたいです。

 

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