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コト・モノ・ヒト

 いろんなコト、いろんなモノ、いろんなヒト

新国立競技場 公募資料公開

本日正午ころ、新国立競技場デザインビルドの2案が公表された。提案タイトルはまさかの完全一致で両者とも「杜のスタジアム」

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A者

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B者

社名はA者、B者と伏せられていますが各社提案に目を通すと組んだ建築家のデザイン的特徴、ゼネコンの技術的特徴が出ていて、すぐに判別できた。

気になったのは両社ともザハとの設計を進めていたゼネコンであり、屋根を担当していた竹中、スタンドを担当していた大成の設計が断面図のプロポーションを見る限り今回の提案に使われているようにも見える。ザハのときと今回の竹中の屋根構造はまったくの別構造ですが各社のスタンド部分と屋根部分の提案を合成すると断面はザハ案になりそう。スタジアムの断面にそれほどレパートリーがないのもそう感じさせる要因ですが。

このことから想像できるのはいかにタイトなスケジュールで提案が行われたかということではないか。さすがに屋根担当だった竹中は批判の対象となった「キールアーチ」を使うわけには行かず、奥行きのあるスタンド全てを覆うために、バックステイという技術で屋根を支持する方法で解決したようです。

しかしこの屋根支持の方法や、ひさし裏の形状が今年5月に竣工したボルドーのサッカースタジアムに似ている気がする。 

スタンドの平面形状こそスクエア型とオーバル型で違う。この屋根の支持方法自体に特許などはないはず(たぶん)なので問題ないっちゃないんですが、アイデアと造形美で話題になり、竣工間もないスタジアムだけに、もしB者が選ばれたら物議を醸す気もします。

どちらの提案も短期間で金額、工期、デザイン(日本らしさ)、オリンピックスタジアムとしての機能を「何とかまとめた」にとどまっていて、技術的なアイデア以外の真新しい画期的なアイデアはパッと見ではほとんどないのが残念。木を使えば日本らしい。という発想もなんとも。(まぁ要綱に「木を使え」「日本らしさを出せ」ってのがあったんで、それはそれで仕方ないのですが)果たしてこれのどっちかが本当にできてしまうんでしょうか。

懸念されていた高さ問題。ザハの案ではキールアーチの最高高さが基準レベルより70m程度というのが景観問題とされていた。今回の案では両案とも構造材を屋根上に出さない単純なトラス構造としたため高さは最高でも46m程度となっていますが、軒先の高さは40m程度あり、この高さはザハ案とほぼ変わりない。

ザハはこの案を見て「ほれ見たことか」とほくそ笑んでいるのか、それとも再び反論ビデオを製作中か。 

いずれにせよ、予定通りであれば年末にも結果が出ます。